| ■甲状腺がんとは
甲状腺がんとは甲状腺の組織内にがん(悪性)細胞が認められる病気です。甲状腺はのどの基部にあり、右葉・左葉の2つの葉を持っています。甲状腺は、生体が正常に機能するのを助ける重要なホルモンを産生します。 甲状腺がんの発生するリスクがいくつかあります。 甲状腺がんは25〜65歳の人に多く発症します。
乳幼児の頃に頭頸部の放射線照射を受けたことのある人は、甲状腺がんになる確率が高くなります。放射線療法後、早ければ5年後に出現するかもれませんし、あるいは20年以上してがんが出現することもあります。
甲状腺腫(甲状腺肥大)がある人、または甲状腺疾患の家族歴がある場合は甲状腺がんの出現のリスクが高くなります。
また、男性より女性の方が多く、アジア人は甲状腺がんのリスクが高くなっています。
甲状腺がんは、乳頭がん・濾胞がん・髄様がん・未分化がんの4つの組織型に大別されます
甲状腺がんによって、他の型のものよりも急速に増殖するものもあります。予後は、甲状腺がんの組織型、がんが甲状腺内にとどまっているかあるいは他の部位に拡がっているか(病期)、患者の年齢、全身状態により異なります。がんが甲状腺にとどまっている40歳以下の患者の予後は良好です。細胞内の遺伝子には親から受け継いだ遺伝情報が存在します。ある型の甲状腺がんの患者に異常な遺伝子がみつかっています。もし、甲状腺髄様がんの場合には、生まれながらに持っている遺伝子の異常によって、がんになった可能性があります。家族の他の誰かもこの異常な遺伝子異常を受け継いでいるかも知れません。がんが現れるずっと前に、誰がこの遺伝子を持っているかを調べる検査法が開発されています。患者さんとその家族(子供、孫、両親、兄弟姉妹、姪、甥)が、この異常な遺伝子を持っているかを医師に調べてもらうことが大事です。この検査は信頼性があり、医師が患者を救うのに役立ちます。がんにはなっていないがこの異常な遺伝子を持つご家族(幼い小児を含め)は、あらかじめ安全に甲状腺を摘出する手術(甲状腺摘出術)を受けることで甲状腺髄様がんになる確率を低下させることができます。
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頭頚部がんの一種。
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◆甲状腺がんの部位・(組織別)分類
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1、乳頭がん
2、濾胞がん
3、髄様がん
4、未分化がん |
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◆甲状腺がんの症状
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・無症状(初期)
・声がかすれる(嗄声・させい)
・呼吸困難・血痰・嚥下障害
(気管・食堂に転移の場合)
・喉にしこり
・リンパ節の腫れ
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◆甲状腺がんの診断
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1、触診
2、超音波検査
3、穿刺細胞診断
4、画像検査
1) CT検査
2) MRI検査
5、シンチグラフィー
6、血液検査
1)CEA 基準値:5.0ng/mg以下
2)カルシトニン 基準値:15〜86pg/mg以下
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◆甲状腺がんの治療
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・甲状腺がんは病期という分類は行わない
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組織型別にみた甲状腺がん
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| 組織型 |
分化がん |
未分化がん |
| 乳頭がん |
濾胞がん |
髄様がん |
| 好発年齢 |
中年、若年 |
高年 |
| 腫瘍の発育 |
穏やか |
様々 |
激しい |
| 周囲への浸潤 |
進行例以外は軽い |
強い |
| 治療法 |
外科治療 |
集学的 |
| その他の特徴 |
.. |
手術時、濾胞腺腫、のち血行転移発生し、がんとわかる例がある。 |
家族性発生がある。血中カルトシトニンが腫瘍マーカーである。 |
約半数は経過の長い未分化がんから発症する。 |
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A:外科療法
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甲状腺がんの治療の基本となるもので最も確実な治療法。
甲状腺は左葉と右葉、その中心にある峡部に分けられる。がんの拡がり具合によって切除範囲が決まり次の方法がある。
a:葉切除術
甲状腺は蝶が羽を広げたように二葉からできているが、このうちがんが認められた片側だけを切除
する方法。また片側のリンパ節も同時に切除しがんがリンパ節に転移しているかの検査(生検)を行う。
b:甲状腺亜全摘出
少しの部分を残して大部分の甲状腺を切除する方法。リンパ節の検査も行う。
c:甲状腺全摘出
d:リンパ節郭清術
がんが転移している頸部リンパ節を切除する方法
e:放射線ヨード療法/アイソトープ療法
甲状腺がん特有の治療方法。甲状腺全摘出後に、ヨードに放射能を付けたものを内服すると、甲状腺由来
の部分、つまり甲状腺がんの遠隔転移部位に取り込まれる可能性が高く、そこで放射能を放出すれば
がん細 胞が壊死するという仕組み。
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組織型別治療方法
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1、乳頭がん
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メリット |
デメリット |
| 全摘出 |
・術後、放射性ヨードにより再発検査、治療が容易
・血中サイログロブリン値による再発のチェックが容易
・乳頭がんに多い多発微小病巣を残す可能性が低い |
・医師の経験などにより術後の合併症発生の頻度が高い
・生涯にわたり甲状腺ホルモン剤の内服が必要になる |
| 葉切除/亜全摘 |
・反回神経麻痺や副甲状腺機能低下などの合併症の頻度が低い
・甲状腺ホルモンの補充が必要にならない |
・放射性ヨード治療を行う場合、改めて残存甲状腺を切除する必要がある
・残った甲状腺にちょっとした変化があるだけで血中サイログロブリン値が変動してしまうため再発のマーカーとならない
・残した甲状腺に微小な乳頭がんが残る可能性がある |
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| 2) |
高危険度群乳頭がんの治療 |
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肺や骨に遠隔転移のある場合には、甲状腺の全摘出後、放射性ヨードによる治療を行いますが、この治療により遠隔転移を完全除去することはほぼできない。
その場合には放射線照射や化学療法(抗癌剤)などの治療と手術を繰り返すことで病気と付き合っていくことになる。喉頭や食道、咽頭などに浸潤している場合にはその部分も切除する。
ただし、上記の治療を行っても再発してしまう場合もあり、中には、悪性度の高い未分化がんの状態に陥ることもある。 |
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3、髄様がん
治療は手術が中心。甲状腺の全摘出とリンパ節郭清を行う。
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4、未分化がん
確立された治療方法はない。主に対処療法だけを行う。
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